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身元保証サービスだけでは不十分?神奈川県でおひとりさまが任意後見契約を結ぶべき理由

執筆者の写真: 誠 大石誠 大石

更新日:2月19日

はじめに

「自分が亡くなった後の手続きをしてくれる人がいない…」「身元保証サービスを利用すれば大丈夫?」

こうした不安を抱えているおひとりさまは、年々増えています。特に神奈川県のように都市部で一人暮らしをしている高齢者は、頼れる家族がいないケースも多く、老後や死後の手続きをどうするかが大きな課題になります。

最近では、病院や介護施設に入る際の保証人代行として「身元保証サービス」を利用する方も増えてきました。また、死後の事務手続きを任せる「死後事務委任契約」を結ぶことで、葬儀や遺品整理を安心して任せられる仕組みも整ってきています。


しかし、身元保証サービスや死後事務委任契約だけでは不十分なのをご存じでしょうか?

これらの契約では、「死亡届の提出」ができません。死亡届を役所に提出できるのは、親族・任意後見人・任意後見受任者に限られており、身元保証会社や死後事務受任者には認められていないのです。


そこで重要になるのが、弁護士と「任意後見契約」を結ぶことです。本記事では、神奈川県でおひとりさまが安心して老後を迎えるために、なぜ任意後見契約が必須なのかを詳しく解説していきます。


身元保証サービスと死後事務委任契約の役割とは?

おひとりさまが老後を安心して過ごすために、近年注目されているのが「身元保証サービス」や「死後事務委任契約」です。これらのサービスは、病院や介護施設への入所時、また死後の手続きを代行してもらう際に役立ちます。しかし、これらだけでは十分ではありません。まずは、それぞれの役割と限界について詳しく見ていきましょう。


身元保証サービスでできること・できないこと

身元保証サービスとは、主に高齢者や単身者が病院や介護施設に入る際の保証人の役割を担うサービスです。

一般的に、保証人がいないと入院や施設入所を断られることもあるため、おひとりさまにとっては非常に重要なサービスといえます。


身元保証サービスでできること

  • 病院・介護施設の入院・入所時の保証人代行

  • 緊急時の駆けつけ対応(倒れた場合の対応など)

  • 退院・施設退所時の手続きのサポート


身元保証サービスでできないこと

  • 財産管理や医療の意思決定

  • 死亡届の提出

  • 遺産整理や相続手続き

身元保証サービスはあくまで「入院・施設入所時の保証人」としての役割に限定されるため、それ以上の法的手続きを代行することはできません。


死後事務委任契約でできること・できないこと

一方で、死後の手続きをスムーズに行うための仕組みとして「死後事務委任契約」があります。これは、弁護士や司法書士、専門の業者と契約を結び、死後の手続きを代行してもらうものです。


死後事務委任契約でできること

  • 葬儀・火葬の手配

  • 遺品整理・住居の明け渡し手続き

  • 公共料金や未払い費用の精算

  • 各種契約(電気・ガス・水道・携帯など)の解約


死後事務委任契約でできないこと

  • 死亡届の提出

  • 相続手続き(遺産分割や相続登記など)

  • 施設入所や医療の判断


ここで重要なのが、「死後事務委任契約を結んでいても死亡届を提出できない」という点です。死亡届を役所に提出しなければ、火葬許可証が発行されず、葬儀・火葬の手続きが進められません。そのため、単なる死後事務委任契約だけでは不十分なのです。


任意後見契約が必須な理由

ここまで、身元保証サービスと死後事務委任契約の役割について解説しました。しかし、どちらの契約も死亡届の提出ができないため、これだけでは十分とは言えません。

では、死亡届を提出し、適切に死後の手続きを進めるためにはどうすればいいのでしょうか? その答えが「任意後見契約」です。ここでは、任意後見契約がなぜ必要なのかを詳しく見ていきましょう。


戸籍法上、死亡届を提出できるのは誰か?

死亡届を役所に提出しなければ、火葬許可証が発行されず、葬儀・火葬の手続きを進めることができません。では、法律上、死亡届を提出できるのは誰なのでしょうか?


戸籍法によると、死亡届を提出できるのは以下の三者に限られています。

  1. 親族(配偶者、子、兄弟姉妹など)

  2. 任意後見人

  3. 任意後見受任者(※任意後見契約を結び、任意後見人となる予定の人物)

つまり、親族がいない場合、死亡届を提出できるのは「任意後見人」または「任意後見受任者」のみなのです。

身元保証会社や死後事務委任契約の受任者は、法律上、死亡届を提出する権限を持っていません。そのため、おひとりさまが死後の手続きをスムーズに進めるためには、任意後見契約が必須となります。


任意後見契約で得られる安心感

では、任意後見契約を結ぶことで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?


認知症や判断能力が低下した際

  • 高齢になると、認知症や病気によって判断能力が低下することがあります。

  • 任意後見契約を結んでおけば、弁護士などの信頼できる後見人が財産を管理し、詐欺や悪質商法の被害を防ぐことができます。


医療・介護の手続きを任せられる

  • 病院や介護施設の入所手続きを任せることができるため、施設側も安心して受け入れてくれます。

  • 家族がいないおひとりさまでも、適切な医療・介護を受けることが可能になります。


死亡届の提出を含む総合的なサポート

  • 死亡後の手続きを任せられるため、身元保証サービスや死後事務委任契約と組み合わせることで、死後の不安をすべて解消できます。

  • 任意後見人が死亡届を提出し、火葬許可証の取得・葬儀の手配までスムーズに行えます。

こうした理由から、おひとりさまにとって任意後見契約は必須と言えるのです。


神奈川県で任意後見契約を結ぶ際のポイント

任意後見契約が必要な理由がわかったところで、次に大切なのは「どのように契約を結ぶのか」です。ここでは、神奈川県で任意後見契約を結ぶ際のポイントについて解説していきます。


信頼できる弁護士を選ぶポイント

任意後見契約は、一度結んだら簡単に変更できるものではありません。そのため、「誰を任意後見人に選ぶか」が非常に重要です。神奈川県で信頼できる弁護士を選ぶ際のポイントを押さえておきましょう。


任意後見契約の実績が豊富な専門家

  • 任意後見契約は法律に基づいた契約ですが、運用には専門的な知識と経験が必要です。

  • 高齢者向けの法律相談を多く扱っている弁護士や、後見制度に詳しい弁護士を選びましょう。

  • 神奈川県の弁護士会や法律相談センターで紹介を受けるのもおすすめです。

相性の良い弁護士を選ぶ

  • 任意後見契約は、老後の財産管理や医療の判断を任せる重要な契約です。

  • 何でも気軽に相談できる弁護士を選ぶことが大切です。

  • 初回相談の際に、話しやすいかどうか、自分の希望をしっかり聞いてくれるかを確認しましょう。

費用を明確に説明してくれる弁護士を選ぶ

  • 任意後見契約には「契約時の費用」と「後見が開始された後の費用」があります。

  • 費用の詳細を明確に説明し、見積もりを提示してくれる弁護士を選びましょう。

  • 費用が不明瞭な場合は契約を避けるのが無難です。


任意後見契約の流れと費用の目安

神奈川県で弁護士と任意後見契約を結ぶ場合、一般的な流れは次のとおりです。


任意後見契約の流れ

  1. 弁護士に相談(任意後見契約の内容を説明してもらう)

  2. 契約内容の決定(財産管理や医療・介護の方針を決める)

  3. 公証役場で契約を締結(公正証書として作成)

  4. 任意後見契約の保管(公証役場が契約内容を管理)

  5. 任意後見の開始(判断能力が低下した時点で家庭裁判所の認可を受け、後見人が正式に活動開始)


費用の目安

契約時の費用

  • 約10万円~20万円(弁護士報酬+公証人の手数料)

任意後見開始後の費用(後見人としての活動報酬)

  • 月額2万円~5万円程度(後見人の業務内容による)

公証役場での手続き費用は全国共通ですが、弁護士の報酬は依頼する事務所によって異なります。契約前にしっかり確認しておきましょう。


まとめ – 神奈川県のおひとりさまが今すぐすべきこと

おひとりさまが老後を安心して過ごすためには、身元保証サービス・死後事務委任契約・任意後見契約の3つが必要であることが分かりました。

特に重要なのが、「任意後見契約なしでは死亡届が提出できない」という点です。死亡届を出せなければ、火葬許可証が発行されず、葬儀の手続きが進みません。これは、身元保証サービスや死後事務委任契約だけでは解決できない問題です。

そこで、神奈川県に住むおひとりさまが今すぐすべきことをまとめました。


✅ 今すぐやるべき3つのこと

  1. 身元保証サービスを利用するか検討する

    • 施設入所時の保証人が必要か確認し、サービスを利用する。

  2. 死後事務委任契約を結び、葬儀や遺品整理を手配する

    • 信頼できる専門家(弁護士・司法書士など)に相談し、契約を結ぶ。

  3. 弁護士と任意後見契約を結ぶ

    • 死亡届を提出できるようにし、老後の財産管理や医療の意思決定を任せられる状態にする。

    • 神奈川県内で任意後見契約の経験が豊富な弁護士を探す。

任意後見契約を結ぶことで、老後の不安を減らし、最期まで安心して生活できる環境を整えることができます。


神奈川県の弁護士に相談する方法

任意後見契約を結ぶには、信頼できる弁護士を見つけて相談することが大切です。

しかし、「どの弁護士に相談すればいいのか分からない」という方も多いでしょう。ここでは、神奈川県で弁護士に相談する方法を紹介します。

✅ 無料相談を活用する

神奈川県には、無料で法律相談を受けられる窓口があります。まずは、これらを活用して任意後見契約について相談してみましょう。


 🔹 神奈川県弁護士会の法律相談センター - 神奈川県内の各地に相談窓口があり、任意後見契約について弁護士に相談できます。 - 予約制のため、事前に問い合わせておくとスムーズです。

 🔹 市町村の高齢者支援窓口 - 役所の福祉課や高齢者支援センターでは、後見制度に関する相談を受け付けています。 - 地域包括支援センターなどで、無料相談会が開催されることもあります。


✅ 神奈川県内の弁護士を探す方法

任意後見契約に強い弁護士を探すには、以下の方法が有効です。

 🔹 弁護士会の公式サイトを活用 - 「神奈川県弁護士会」のウェブサイトでは、弁護士検索ができます。 - 「任意後見」「高齢者サポート」などの分野を得意とする弁護士を探しましょう。

 🔹 知人や専門家に紹介してもらう - 既に任意後見契約を結んでいる知人や、介護施設の相談員に聞いてみるのも一つの方法です。 - 信頼できる弁護士の情報を得られる可能性があります。

 🔹 弁護士事務所のホームページを見る - 神奈川県内の弁護士事務所のホームページを確認し、「任意後見契約の実績が豊富な弁護士」を選びましょう。 - 料金や相談方法が明確に記載されているかどうかも重要です。


✅ 相談予約の方法

1. 電話またはウェブサイトから予約 - 多くの弁護士事務所は、電話やオンラインフォームで相談予約を受け付けています。


2. 初回相談で契約内容や費用を確認 - 任意後見契約の流れや、どこまでサポートしてもらえるのかを確認しましょう。


3. 納得できたら契約を進める - 料金体系や弁護士の対応に納得したら、正式に契約を結びます。


まとめ:今すぐ行動を!

おひとりさまが安心して老後を迎えるためには、

「身元保証サービス」+「死後事務委任契約」+「任意後見契約」の3つが必要です。

特に「任意後見契約」は、死亡届の提出が可能になる唯一の方法であり、早めに弁護士と契約を結ぶことが重要です。

「今はまだ大丈夫」と思っていても、いつ判断能力が低下するかは分かりません。今のうちに準備を進めて、安心できる老後を迎えましょう!


「身元保証サービスだけでは不十分?神奈川県でおひとりさまが任意後見契約を結ぶべき理由」でした!


弁護士 大石誠

横浜市中区日本大通17番地JPR横浜日本大通ビル10階 横浜平和法律事務所

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